何の仕事であれ、販売を行う仕事には「価格」が必ず伴います。
以前、家内がカウンターの付いた収納できる家具が欲しいと、大手家具店やホームセンターを見て回ったことがあります。作りのしっかりしたものを求めて、ホームセンターでこれならと思えるものがありましたが、近所の大手家具店ならもっと良いものがあるだろうと行ってみると、ほとんど同じものが2割も高い値が付いていました。
じゃあ、同じ物ならホームセンターでも良いかなと、ホームセンターに戻り購入したことを思い出します。
つまり、物売りだけというサービスであれば、消費者は当然のことながら「安い方」を選択する。
残念ながら、大手家具店には専門店としてのサービスを見受けることができず、物売りだけのサービスで選択してしまったのです。
では、我々リフォーム業はどうでしょうか?
まずは、お住まいに訪問し、要望をしっかりとヒヤリングし、そのヒヤリングを元に計画を立て見積をします。
ですので、ヒヤリングをする人の能力や提案力で計画も見積も異なってきます。
でも、1社では不安だからと相見積を取られるのですが、当然のことながら、各社見積書の項目も違えば内容も違い、比較なんてとてもできず、表紙の合計金額だけで判断することとなってしまいます。
相見積も2社だけならまだしも、4社・5社と取られて、まともな比較ができるとは思えません。
結局、知り合いから紹介された1社目の会社に相見積で安かった会社の金額に近づけるようお願いして依頼するのが一般的ではないでしょうか?
仮に私が依頼するお客さんの立場であれば、一番安心できる会社に妥当と思われる予算でお願いすることになると思います。
つまり、「価格」が一番の選択肢ではなく「安心」が一番の選択肢であることが分かります。
リフォーム業は各社が同じサービスを提供できるのではないわけですから、「価格」に囚われるよりも、どうやって「安心・信頼」を一人でも多くのお客様に伝えることができるかに注力するのが正しいことが分かります。
昨日も何度もリフォームさせていただいているK様が来店され、「うちの近所で仕事が増えとるじゃろ。来る人に、同じ頼むんならキチンとやってくれる会社に頼みんさい」と言うとるけえ。と有難い話をしてくれました。
改めて、一つ一つの仕事を確実に、そして「安心・信頼」してもらえることの大事さを教えてくれます。
そのための社内ルールや現場でのあり方の教育の重みを痛感します。