大竹市・外壁改修に併せて耐震補強

今回ご紹介する現場は、築40年余りの木造住宅です。
昭和56年以前に建てられた建物ですので、新耐震基準に適合していないため耐震診断及び耐震補強工事の補助金対象となります。
外壁のモルタルが劣化し、クラックや剥離がおこっているので外壁を改修したいとの相談を受けました。外壁のモルタル全て除去して改修を行うのであれば、外壁面からの耐震補強が行えますので、まずは補助金を受けて耐震診断を行い、併せて外壁面からの耐震補強計画を立ててみました。

現状

現況の診断では評点が0.24と大きく1.0を下回る危険な状態です。
そこで、補強計画に基づいた評点は

補強

残念ながら、外壁面からだけでは評点を1.0まで上げることはできませんが、0.8程度まで上げることができますので、段階的補強工事として補助金を受けて改修工事を行うこととなりました。
まずは現況写真

着工前1
着工前3

これから足場を仮設し、外壁を撤去します

足場仮設
解体4
解体2

解体してみると写真のように、既存の筋交いが現れます。施主様から拝借した図面と実際はかなり違っており、改めて補強計画のやり直しです。
さらに、シロアリによる蟻害も確認することができました。
さて、補強の方法ですが補強計画により
①X方向の壁量が不足しているため、広縁の開口の一部を耐力壁にする
②柱頭柱脚をN値計算による金物で補強(N値とは地震による柱にかかる引き抜き力のこと)
③外壁を構造用合板を貼ることによる補強
④筋交を所定の金物で補強
まずは①

下倉1-1

写真のように、耐力壁とした部位は広縁大引き下に基礎を作り筋違を取り付けました。
②柱頭柱脚のN値計算による金物補強は
下倉邸補強計画(施工後)

計画図に表記があるように、N値に応じて「い」~「ち」までの金物で補強を行います。
私用する金物は、以下の物で

柱3-3柱2-2柱1-1

施工は、下の写真のように柱頭部分は柱と桁。
柱脚部分は土台と柱を金物で固定します。

49上-1

49下-138上-138下-1

金物による固定が終わりましたら、構造用合板を貼ります。
この構造用合板の貼り方にも仕様が決まっており、所定の釘(N50)釘の間隔@150で施工しています。

構造用合板施工状況1-1

以上のような施工で耐震補強工事を行いました。
仕上げは、構造用合板の上から窯業系無塗装サイディングを貼り、塗装をして仕上げています。
仕上がりからは耐震補強したことは分かりませんが、地震に対する強度は0.24⇒0.79へと大幅に改善されています。

IMG_8830IMG_8822

お施主様とも、次回の水回りを中心としたリフォームに併せて内部から耐震補強を行い評点を1.0以上にする計画と話をしています。

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