1980年の建築基準法改正後の住宅の耐震改修工事を行っています。
1980年から2000年の現行法施工までの間のグレーゾーンと呼ばれている基準で建てられた住宅。現行法との大きな違いは
1.柱の柱頭・柱脚に引き抜け防止の金物の取り付け
2.耐力壁をバランスよく配置すること
国は1980年以前の旧耐震基準の建物の耐震化を進めていますが、このグレーゾーンの住宅も熊本・能登半島地震で多く倒壊しています
実際にこのグレーゾーンの建物を耐震診断してみると、大半の住宅が安全基準の1.0を満たしておらず、倒壊の危険があるとの判定となります。
この現場の住宅も、耐震診断を行うと1.0を大きく下回っており、それを見たお施主さんが耐震補強を決められた次第です。耐震補強で1.0を上回る計画を立てさせていただきましたが、お施主様より、さらに制震はとのご希望で、耐震にプラスして制震工法も取り入れた施工となりました。
制震は横の揺れをダンパーで吸収するもので、このお宅のシュミレーションでもかなり揺れが吸収されることが分かります(制震しない場合の揺れ幅が点線・青が制震した場合)
現場での施工は下の写真のように、柱の変形を2枚板の間にあるダンパーが吸収するものです
このお宅では、6か所この制震材を施工させていただきました。
耐震補強によって評点を安全な1.0以上とし、さらに制震施工を行うことで確実に倒壊から免れる安全な住まいとなります。
私たちも、効果的な耐震改修の事例の勉強になります。
コメント