コンクリート擁壁クラック補修:大竹市

高さ1.8mのコンクリート擁壁に2か所大きなひび割れが発生しており、このひび割れの補修を行いました。

上の写真のように、クラックだけでなく土圧による変形も起こっています。

補修方法は、クラックにエポキシ樹脂を充填して補修する工法を行いました。

まず、クラックに沿ってサンダーでカットを行い、注入用パイプを取り付けれるように斫ります

この部位にエポキシ樹脂を注入するパイプを取り付けます

この溝から注入するエポキシ樹脂が出てこないようにエポキシ樹脂モルタルで埋め戻しを行います。

翌日、このモルタルが硬化後エポキシ樹脂を下のパイプから順に注入します

写真のように、上のパイプからエポキシ樹脂が押し出されて来るまで注入し、上に上がっていきます。

最上部の隙間からエポキシ樹脂が押し出されて出てきたところで、充填完了です。

次に、このパイプを撤去し、溝の表面を仕上げていきます。

まず、クラックのある面の表面をケレンをかけ、溝を円滑に仕上げる弾性系エポキシ樹脂を塗布する準備をします。

この弾性系エポキシ樹脂は紫外線に弱いので、樹脂モルタルで一面を塗り完成です。

今回、このクラックを進行させないボードアンカー工法等も検討しましたが、築年数も25年と経過しているので、一旦、このエポキシ樹脂充填工法での補修で様子を見ることとしました。試験結果でも、エポキシ樹脂で接着剤の役目を果たすことでコンクリートが一体化し、強度が増すことが分かっています。

頑丈に見えるコンクリートの構造物も、年月とともに内部では中性化が起こり内部の鉄筋の酸化(錆)が進行し膨張することでクラックが発生し、雨水の侵入で加速化されコンクリートが剥離が起こります。

早い段階で補修を行うことで、進行を止め構造物の寿命を長くすることができますので、人間の体と同じで、早期診断と治療が大事です。

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