【耐震について】第3章 住まいの耐震性のチェック(耐震診断とは)
さて、これまで、「耐震の基準」そして、「住まいの耐震性のポイント」についてお話しをしてきましたが、もし、あなたのお住まいが平成十二年以前に建てられ、耐震性に対してチョッとでも不安があるのでしたら、耐震診断による確認をお勧めします。
耐震診断と言っても、一般の方が自分で行える「簡易診断」そして、一般的に使われている「一般診断」、そして、専門家が行う「精密診断」があります。
まず、「簡易診断」ですが、これは財団法人日本防災建築協会が作成したもので、簡単に建物をチェックし、十点満点で評価するものです。この診断では、耐震補強の検討ができるほどのものではありませんが、建物の耐震性のポイントを知る上で、大変参考になります。(インターネットでも簡単にダウンロードできますし、我が社にもあります)
次に、最もよく使われているのが「一般診断」です。この診断では、建物の平面図・筋交いの位置、種類・基礎などの劣化の状況に基いて計算し診断します。
考え方は、地震に対して、その建物に必要な耐力と、保有している耐力を計算して、その比率で判断をするものです。
この一般診断で行いますと、どこを補強したら良いか、また、その補強の程度なども確認する事ができます。
さらに、「精密診断」では、一般診断と基本的には同じ考え方ですが、現地調査を詳細に行う事で、さらに精密な診断ができますので、耐震補強を行う際にはこの「精密診断」を元に計画を行う事が望ましいと思います。
(もちろん、我が社には、診断できる建築士と診断ソフトがありますので、一般診断・精密診断を行う事が出来ますので、お聞きになりたい方はご相談ください。)
さて、前のページでは、「0.7未満は倒壊する可能性が高い」と、ショッキングな表現になっていますが、少なくとも評点を1.0以上であれば、「一応倒壊しない」と言う判定なりますので、まずは、1.0を確保できれば、人命に関わる倒壊の危険性からは免れる事ができるのです。
では、評点の1.0を確保するためにはどうしたら良いのでしょうか?
次の章では、耐震補強の方法について、お話しましょう。